空き家化している個人住宅の賃貸活用ガイドラインについて

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Q1、最近、国土交通省が「個人住宅の賃貸活用ガイドライン」を示したと聞いていますが、どのような内容ですか。

A1、空き家総数は全国で約820万戸といわれ、その最も多いのは「賃貸用の住宅」ですが、賃貸用でない「一戸建て」も全体の2割を占め、その数は年々増加しています。適切な管理が行われない空き家は、防犯、防災、衛星、景観など環境面でも地域の大きな問題となっています。国土交通省では、空き家対策特別措置法の制定を受けて空き家を活用するための有識者会議で議論を重ね、その最終報告書の中で新しい指針(ガイドライン)を提示したのです。

 

Q2、空き家所有者の不安に対する解決策は示されていますか。

A2、解決策は色々あります。

①賃貸に出すにはリフォームが必要との不安に対しては、借主がリフォームをする新しい手法を、

②入居者のマナーや家賃滞納が心配との点は、管理会社に管理を依頼する方法を、

③所有建物が永久に戻ってこないのは困るという点は、定期借家契約の案内を、

④なかなか決断できない人には、固定資産税の負担を家賃収入で大きくプラスにする思考を提案しています。

 
Q3、賃貸借ガイドラインではどのような手法が提示されていますか。

A3、ガイドラインでは、個人が住宅を賃貸化する際に活用が考えられるA~Cの3つの契約形態を提示しています。

    Aタイプは「賃貸一般型」、Bタイプは「事業者仕上げ型(いわゆるサブリース型)」で、これまで賃貸住宅で多く活用されていました。

    Cタイプが「借主負担DIY型」という新しい形態です。なお、DIYとは、借主自ら修繕や改修を行うことに加え、専門業者に依頼して設備交換やリフォームを行うことを含みます。

 
Q4、借主がリフォームをおこなう賃貸借形態とはどのようなものですか。

A4、従前の賃貸借では、入居前修繕は貸主負担ですので貸主に初期費用が掛かるという負担がありました。

 借主負担DIY型では、貸主は現状のまま貸し出し(ただし賃料は相場より安く設定)、壁床の張り替え・設備更新等は借主負担で行いますので、費用負担の心配はありません。

 他方、借主は家賃が市場より安く借りられますし、自分の好みで自由にリフォームできるので、賃貸なのに持ち家のような住宅となります。退去時の原状回復は、DIY実施個所は免除されることになりますので、借主も安心してカスタマイズできます。

 
 このように、個人住宅の所有者・利用者、不動産管理会社、自治体に対して個人住宅を活用するための枠組みを提示することで、住宅の賃貸流通が促進されることが期待されているのです。