薬機法の改正について

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第1 改正の概要
 令和7年(2025年)5月、医薬品の品質確保・安定供給・創薬環境整備を目的として、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の一部改正法が公布されました。
 改正は段階的に施行されていますが、販売実務に大きく影響する濫用防止策関連の規定は令和8年(2026年)5月1日から施行されています。
 改正の背景には、医薬品の供給不安・創薬環境の変化に加え、若年層を中心とした市販薬の濫用(オーバードーズ)が社会問題化していることがあります。
 改正内容は、①「品質・安全性確保の強化」、②「安定供給体制の強化」、③「創薬環境の整備」、④「薬局機能の強化」の4つの柱で構成され、このうち販売実務に直接影響するのは4つ目の柱です。


第2 販売実務に関する主な変更点
1、指定濫用防止医薬品
(旧「濫用等のおそれのある医薬品」)の販売規制強化
(1)対象となる医薬品

 これまでの「濫用等のおそれのある医薬品」が新たに「指定濫用防止医薬品」として法令に位置づけられ、対象医薬品の販売時には、確認・情報提供等の強化がはかられます。
 対象となる医薬品は、①エフェドリン、②コデイン、③ジヒドロコデイン、④ジフェンヒドラミン、⑤デキストロメトルファン、⑥プソイドエフェドリン、⑦ブロモバレリル尿素、⑧メチルエフェドリンの8成分で、内用剤のみが対象(外用剤は対象外)です。

(2)販売時の確認義務と販売規制
 販売時には、18歳未満の若年者への氏名・年齢確認が必須となり、18歳以上でも若年者か判断できない場合は同様の確認が必要です。
 他店での購入状況や複数個・大容量購入の理由確認法律上の義務となります。
 若年者への大容量・複数個販売は禁止小容量(原則5日分以下、かぜ薬等は7日分以下)であっても対面またはオンライン(リアルタイムの映像・音声通信)での確認が必要です。
 若年者以外への大容量・複数個販売も対面・オンライン対応が必須ですが、小容量1個に限り通常のインターネット販売が可能です。

(3)陳列方法の規制
 陳列方法にも規制がかかり、医薬品の区分に基づき、以下のいずれかの方法で陳列することが義務付けられます。
ア 薬局製造販売医薬品、要指導医薬品、第一類医薬品たる指定濫用防止医薬品
 ①鍵をかけた陳列設備
 ②購入希望者が直接手の触れられない陳列設備(カウンターの内側等)
イ 第二類医薬品、第三類医薬品たる指定濫用防止医薬品
 ①鍵をかけた陳列設備
 ②購入希望者が直接手の触れられない陳列設備(カウンターの内側等)
 ③薬剤師又は登録販売者が継続的に配置された情報提供設備から7メートル以内の範囲での陳列

(4)記録義務
 改正法では、薬剤師や登録販売者が購入者に対して法令で定められた事項を確実に確認し、記録・管理する体制が求められます。
 確認すべき事項は、①氏名、②年齢(若年者および必要な場合)、③他店での購入状況、④適正な使用量を超えて購入しようとする場合の理由、です。

(5)頻回購入対策を整理した手順書の整備
 改正により、すべての薬局・店舗販売業において頻回購入対策を整理した手順書の整備が義務付けられています。
 指定濫用防止医薬品販売等手順書に記載する事項は以下のとおりです。
①販売又は授与の方法に関する手順
②情報提供及び確認に関する手順
③陳列に関する手順
④頻回購入・多量購入を希望する購入希望者への対応の手順

2、要指導医薬品におけるオンライン服薬指導の導入
 これまで店舗での対面販売が原則でしたが、薬剤師が適切と判断すればオンライン服薬指導によるインターネット販売が可能になります。ただし、対面確認が不可欠と判断される品目は引き続き対面販売が維持されます。