Q1.夫の浮気が発覚したのですが、浮気相手に対して慰謝料請求はできますか。 A1. 浮気相手が、あなたの夫が既婚者であることを知っていた、または知ることができたにもかかわらず不貞行為に及んだ場合、あなたは浮気相手に対して、慰謝料を請求することができます。 ただし、浮気相手とあなたの夫が不貞行為に及んだ時点で、夫婦関係が既に破綻していた場合には、特段の事情がない限り、慰謝料を請求することはできません。 Q2.浮気をした夫と浮気相手の両方に対して慰謝料請求はできますか。 A2. 不貞行為は、不貞の配偶者とその相手方との共同不法行為になりますので、あなたは、夫と浮気相手の両方に対して、慰謝料を請求することができます。 ただし、二人に対して請求できるからといって、慰謝料を二重取りすることはできません。 たとえば、慰謝料が200万円だった場合、あなたは、夫と浮気相手の両方に対して200万円を請求することができますが、どちらか一方から200万円を受領したのちは、もう片方に対して、それ以上請求することはできません。 Q3.浮気が発覚したのですが、話し合いの結果、今回は離婚しないことにしました。 夫に対しては慰謝料を請求しないで、浮気相手に対してのみ慰謝料を請求してもよいのですか。 A3. 夫についての責任は免除しつつ、浮気相手に対してのみ請求することも可能です。 もっとも、浮気相手があなたに慰謝料を支払ったのち、あなたの夫に対して、責任割合に応じた支払いを請求してくる可能性は残ります。 たとえば、慰謝料が200万円、あなたの夫と浮気相手の責任割合が6:4だと仮定します。 このとき、あなたは、浮気相手に対してのみ200万円を請求することは可能です。 ただし、浮気相手は、あなたに200万円を支払ったのち、あなたの夫に対して、120万円(200万円の6割)を請求することができます。 Q4.慰謝料の相場はいくらですか。 A4. 慰謝料額については、明確な基準があるわけではありません。 算定に当たっては、①婚姻期間、②婚姻関係破綻の有無、③婚姻生活の状況、④不貞期間、⑤不貞行為の態様、⑥配偶者と浮気相手のどちらが主導的役割を果たしたか、⑦未成年の子の有無、⑧請求者側の落ち度の有無等、様々な要素が考慮され、総合的に判断されることになります。 100万~300万円が相場と言われることが多いですが、数十万円の場合もあれば、300万円を超える場合もあり、ケースバイケースといえます。 また、不貞の配偶者に対する慰謝料と、不貞の相手方とに対する慰謝料が同額になる場合もあれば、金額に差が生じる場合もあります。 |