Q1.1年前に新築住宅を購入しましたが、最近、1階リビングの天井から漏水するようになりました。誰にどのような請求ができますか。
A1.
売主、設計者及び施工者に対し、①契約不適合責任に基づく請求(民法第562~564条による損害賠償請求、修補請求、代金減額請求等)、②不法行為に基づく損害賠償請求(民法第709条)、③品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づく瑕疵担保責任の追及、ができる可能性があります。
*契約不適合とは:
契約の目的物が、種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないこと。2020年4月の民法改正によって、それまでの「隠れた瑕疵(かし)担保責任」という仕組みが「契約不適合責任」という名称に変わっています。
Q2.漏水に関する請求には期限がありますか。
A2.
①契約不適合責任に基づく請求については、契約不適合を知ったときから1年以内に売主、設計者及び施工者に対して通知をしなければならないとの期間制限が設けられており、契約不適合を知らなかったとしても引き渡しから10年以内に追求する必要があります。
②不法行為に基づく損害賠償請求は、引き渡しから20年、契約不適合を知ったときから3年以内であれば請求が可能です。
また、③品確法に基づく請求は、新築住宅の引き渡しから10年間の期間制限が設けられています。
Q3.漏水していれば売主、設計者、施行者に対して損害賠償請求等ができるのですか。
A3.
「雨漏り」が発生している状態を「瑕疵現象」といいますが、瑕疵現象を主張するだけでは、請求は認められません。なぜ瑕疵現象が発生しているのかという原因=「瑕疵原因」を特定しなければなりません。
Q4.漏水の場合、「瑕疵原因」はどのように特定するのですか。
A4.
専門業者や建築士の調査が必要になります。目視で原因が特定できる場合もありますが、特定できない場合は、漏水の可能性がある場所において散水試験(雨漏りを再現し、原因を特定する調査)や、水張り試験(雨漏りの可能性のある個所に水を張り、水面低下がないか確認をする調査)を行います。
Q5.どのように解決すればよいですか。
A5.
まずは、売主又は設計者又は施工者を相手に任意での交渉を行うこととなります。
交渉で解決ができない場合は、住宅紛争審査会によるADR(裁判手続きによらずに紛争を解決する手続き)が考えられます。訴訟に比べて費用を抑えることができ、柔軟かつ迅速な解決が可能です。
また、裁判所に民事調停の申立てをすることが考えられます。
しかしながら、住宅紛争審査会によるADRや民事調停はある程度両者の歩み寄りが前提となるため、歩み寄りによる解決の可能性がない場合は訴訟での解決を図ることになります。