家事事件手続法について

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平成25年1月施行の家事事件手続法について

Q1、家事事件とはどのような事件ですか。
A1、家事事件とは、家庭裁判所において取り扱われる夫婦間の紛争や成年後見など家庭に関する事件のことを言います。

Q2、家事事件の手続はどのように行われるのですか。
A2、大きく分けると家事審判(裁判官が家事事件を資料に基づいて判断し決定する手続き)と家事調停(裁判官と調停委員で構成される調停委員会が当事者の言い分を聞きながら当事者の合意による解決を目指す手続き)に分かれます。

Q3、どうして家事事件手続法が制定されたのですか。
A3、従来は家事審判法(昭和22年成立)が家事事件の手続きを定めていましたが、65年以上を経過して国民の法意識も大きく変わってきました。そこで、国民に利用しやすく、現代社会に適合した内容にするため、これを全面的に見直すことにしたのです。家事事件手続法は、平成23年5月に公布され、平成25年1月から施行されています。

Q4、どのような点が見直されたのですか。
A4、改正の要点等は以下のとおりです。
(1)透明性
 ①家庭裁判所は申立書の写しを事件の相手方に送付し、相手方が申し立ての内容をよく把握したうえで、自分の言い分を主張できるように配慮しました。
 ②家事審判事件では当事者による記録の閲覧・謄写を原則許可とし、調停事件は相当と認めるときは許可されることとなりました。
(2)手続き保障
 相手方のある家事審判事件では、原則として当事者の陳述を聴取しなければならず、当事者の希望があれば裁判官が直接陳述を聞く手続きによって行うこととなりました。
 また、審判の結果により影響を受ける者からの陳述を聞かなければならない場合を明記し、特に子が影響を受ける事案では、子の意思を把握するよう努め、これを考慮しなければならないとされました。
(3)調停手続の充実
 ①電話会議、テレビ会議システムによる調停制度が導入され、遠隔地にいる当事者の出頭負担を軽減することができるようにしました。
 ②なお、書面による受諾を拡張し、やはり遠隔地の当事者の出頭負担を軽減する配慮をしております。