セクシャルハラスメントについて

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Q1 「セクシャルハラスメント」とはどのような行為をいうのですか。

A1
 「セクシャルハラスメント」とは、日常用語としては「相手方の意思に反する不快な性的言動」と定義されます。
 男女雇用機会均等法において、職場におけるセクシャルハラスメントには、「対価型」と「環境型」があるとされています。
 意に反する性的言動について拒絶したり抗議したりしたことをもって不利益な処遇がなされるような場合を「対価型」といい、不利益な処遇がなされたわけではなくても、性的な言動により就業環境が害されている場合を「環境型」といいます。

 
Q2 セクシャルハラスメントの加害者はどのような法的責任を負うのですか。

A2
 セクシャルハラスメントが民法上違法と評価される場合には、加害者は、被害者に対し不法行為に基づく損害賠償責任を負います。
 セクシャルハラスメントの態様や程度によっては、強制性交等罪、強制わいせつ罪等、刑事責任を問われることもあります。
 また、職場内でのセクハラ行為は、企業秩序を乱す行為であることから、不法行為に当たらない場合であっても、就業規則の定めに従って懲戒処分が課されることがあります。

 
Q3 どういう場合に違法なセクシャルハラスメントとなるのですか。

A3
 職場で行われる相手方の意思に反する性的言動のすべてが違法とされ、不法行為が成立するわけではありません。
 裁判では、諸事情を総合的に考慮して、当該行為が被害者の性的自由・人格権を侵害する社会的相当性を超える行為であるといえる場合に、不法行為と判断されています。

 
Q4 職場内でのセクシャルハラスメントの場合、被害者は、加害者本人のほかに、会社に対して損害賠償請求をすることはできますか。

A4
 加害者がその会社の社員であり、セクシャルハラスメントが外形上職務の範囲内で行われたといえる場合には、使用者責任に基づき、会社に対して損害賠償請求をすることができます。

 また、使用者である会社には、労働契約上の付随義務として、職場においてセクシャルハラスメントが行われることがないよう職場環境を配慮する義務があります。そのため、その義務を尽くしていなかったと認められる場合には、債務不履行を根拠に損害賠償請求をすることもできます。